スチームボーイは、…飛んだだけ?
なにかと話題の(逆に一部では忘れられているような気も(^^;))スチームボーイを見てきた。一部では評判悪く、ただ、逆に「面白い」という人も少なからずいたりして、一体どっちやねん?…と気にはなっていた。
友人の忠告として、「まず大友監督作品と言うことを忘れ、9年かかった製作期間というのも忘れると、結構楽しめるらしい」と言われ、やはり入場料とか無駄にしたくないことを考えると、なんとかそれを実践してみることにした。
…ら、楽しめた(^^;)。
以下、つらつらっと書きますけれど、ネタバレもあるかもしれないので、別ページに(できるだけ書かないつもりだけれど)。未見の人はこの続きは注意してくださいね。
えーと…、結局「大友らしさ」とは何か…と聞かれると、考えてみると意外と自分は知ってないかもしれないし、9年っていっても、確かに作品発表当初とか知っているとのだが、しかし途中情報が断絶してしまったこともあり、あまり実感無いのよね、9年って。
そう考えると、意外に先の条件は簡単に飲み込めたし、その上でなら「WXIII」よりも楽しめましたわ。まだ各キャラクターの行動理念が一貫しているし。まぁ逆に言えば「単純」なのだが。
この映画の一番の欠点は「結論が出ていない」ということだと思う。何もかも投げっぱなし。キャラクターの誰一人として、映画の事件をきっかけにして何か変わったわけでもないし、何か進んだわけでもない。そういう意味では「問題提起劇」といった感じなのだが、そういうのはさんざんっぱら他の映画などでやっていることで、それらよりぬきんでていない、という意味では頭角を現している作品とは言い難いと思う。
まぁストーリー上、最後の方でひねってあって、単純な終わり方にはなっていない(EDじゃないですじゃ(後述)。スチーム城を「安全な場所」に移動させなきゃいけないことに気づくくだり)のがちこっと救われるが。
救われるといえば、結構要所要所に笑えるところがあって、それで飽きさせないってのはあったとは思う。
そしてやはり圧倒的な作画力。CGも含めて…あー、そうそう。「イノセンス」もあるし、これくらいのCG描画は今はあたりまえ…と結構言われているみたいだが、しっかり普通になじませて、かっちし描き混んでいる描写は、そうはできないはず。そういう意味では描写力はぬきんでていると思う。ただ、それがやはり19世紀の舞台…ってところで地味な見栄えになっている分、先の評価になっているのかもなぁ…という気がする。
個人的に追求したいのは編集か。たとえば冒頭のつながりがぎこちないし、途中万博開幕式前後のつなぎもぎこちなかったりして、やはり公開時期を早めたしわ寄せがそこに来ているのかな…という気がする。まぁなんとも言えないけれど。
あと個人的に良かった…というか、悪評が多かった割には善戦していたのが声優。逆に悪評を聞いていた分、救われたのかもしれないが、全員普通に聞こえたけれどなぁ…。ぬきんでて…ってのは無いけれど、普通になじんでいて、責めるところなどなかったように思えるのはおいらだけか?
責めたいのはむしろEDだよ。すぱっと終わってないストーリーとはいえ、またEDで豪快にふくらますなよ~。なんか終わったあとのさっぱり感を無理矢理消そうとしているようにも思えたりして、ちっと意地悪~な感じ。まぁちっと気にはなりますけれどね。2も予定されているみたいだし。
…しかし、オハラ財団のスカーレットって…(^^;)。EDだと髪の毛の色が変わっているのも気になる…。
まぁ個人的には入場料分は楽しめたのではないかと。おまけにつっこみどころ満載で、ネタにも不自由しないし(^^;)。大体なんだよ、あのスチームボールって。3個そろえばあの城を持ち上げられるくらいのパワーを秘めているって、どういう構造やねん。中に圧力がかかってる…って、そんなすげぇ圧力を封じ込めているなら、むしろそういうパワーを生む燃料…よりも、その圧力に耐えられる材質の方が問題で、それを使えば別のすんげぇもんが作れると思うのだが。そっちの方がよっぽどの革命のような気も。
また、そういう城をも動かす超小型ハイパワー動力を、簡単な装置で人間一人の飛行をうまく行うためのパワー調整が行えるっつーのもアンバランスだし。よっぽど優秀なバルブなのね(^^;)。
大体、「高密度で高圧力」ってのもよくわからん日本語やし。まぁ一番のつっこみどころは、「スチームボーイ」という割には、あんまり活躍してないスチームボーイだったりして。父と祖父が大活躍…っつーか、「迷惑な親子げんか」というのがよくわかった。まぁでもそういうのは歴史上(?)「大鉄人17」の例もあるし…(^^;)。
まぁでもともあれ、そういうのはつっこまるだけありがたいだけの話であって、変えて欲しくはないですけれどね。面白いし。一番面白いメカはスチーム城コントロールルームにあった、あのレンズ群かな。あれは面白いな~。操縦席がちっとも動かないのに、どうして後ろとか下部視野とか望めるのかと思えば…。
ま~、色々とアイディアが詰まっている分、それを拾い出すために後日DVD買うのも面白そうだな。実際に買うかどうかはよくわからんが…。
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